第28回
12月議会に
注目しよう㈠
今年度3回目の議会、12月議会の一般質問が、7日~8日、行われた。
「大川の駅」事業に関しては、次の議員によって質問がなされた。
7日 ①龍 誠一(反対)
②西田 学(反対)
8日 ③内藤栄治(反対)
④永島幸夫(反対)
⑤永島 守(賛成)
その要点を挙げてみる。
① 龍誠一
「大川の駅」事業の経過についてー
<質問1>用地取得の進捗状況を説明して頂きたい。
【回答】すべての土地売買契約が完了したところです。
<質問2>「オープンまでの総工事費」はいくらになるのか。内分けを具体的に説明して頂きたい。
【回答】来年の公募開始までにはお示し致します。現段階ではお答えできません。
<質問3>「オープンまでの総工事費」の財源確保は出来ているのか。具体的に説明して頂きたい。
【回答】市が負担する費用につきましては、地方債の活用 を積極的に行い、市の財政負担が少しでも軽減できるよう行って参ります。
<質問4>盛り土工事に必要な全体工事費は出ていますか?
【回答】現在、地盤対策工事の設計業務委託をしているので、その中でいっしょに算出ということにしています。説明できるような段階になっていません。
<質問5>「道の駅」を大野島に確定したのはH27の経営会議であったのは間違いないですか?
【回答】間違いありません。
<質問6>「大川の駅」について現在も市民にさまざまな説明をしてありますか?
【回答】しています。
<質問7>大川の駅に反対される方々に納得のいく説明ができるのですか?
【回答】してまいります。
<質問8>6月議会でも申し上げましたが、どんな案件でも、大川市民の皆様から納付して頂きました税金を利用されるのであれば、大川市民の皆様を説得して納得して貰わなければ、必ず苦情を招きます。急がず、いったん立ち止まって、全体を見直すべきです。まずは、大野島予定地に反対される皆様のご意見をしっかりと訊かれてから、進められた方が必ずいい結果を招くと考えているからです。以上です。
[まとめ]
〇龍議員の質問により、土地売買契約が完了したことが分かった。
こうした質問は、いずれも賛成派の議員からは一切ないので、良識派議員の一般質問がなければ、市民は何一つ分からないままである。その見識ある存在により、市民に対して大きな役割が果たされている。
〇龍議員の質問に対して、総工事費、盛り土工事費など、費用関係では、具体的な回答は、 出す段階でないとして多くは先送りであった。不明のままである。
〇市民への説明はいろいろな形でしているとの回答であったが、いまだ、「分からない、分からない」という市民が多く、「不安だ、反対だ」という市民の声が絶えないことは、説明が十分出来ていないということである。
〇龍議員の一般質問最後の言葉は説得力があり、聞く者に耳を傾けさせるものがあった。
・・・・・・・・・・・・・・・
「大川の駅」の場所が、大野島では、土地購入費に加えて、盛り土・造成工事など土地整備費までかかり、大川市の莫大な出費になる。
一方、そういった経費もかからず、その分、出費も抑えられる市所有の用地も他にある。
そういったものとの比較検討がなされたとは言えないくらい簡単に、「場所は大野島」と、1回の経営会議で決まったというのである。
場所決定の経緯に市民が疑問を持つのは自然のことで、このように出発の時点からこの事業は問題を孕んでいた。
その上、議会で十分な議論もなく、大野島出身の暴力議員を中心とした多数決でここまで進んで来るなど、無理をしてきた感がある。議員や市民が納得していない要素が多いのである。
執行部の「大野島論」の理由は、沿岸道路による有明海沿岸振興と場所の景観だ。人口減と産業の不振を大野島「大川の駅」で跳ね返したいと情熱を持つ。
この事業がうまくいけば誰でも喜ぶであろうが、規模が大きいため数字に危うさがあり、万が一、失敗したら泣かねばならないのは自分たちであることを市民は知っている。だから、不安を持ち、反対が多いのだ。
このような大事業である。
こんなに市民に反対が多いままで、成功するだろうか?
執行部は、今からでも遅くない。市民が納得できるまで、しっかり説明した方がよい。
納得したら、現在反対の議員も市民も協力するだろう。その場合、事業が仮にうまくいかなくても、その責任は執行部だけでなく、全市民で持つことになる。
「いったん立ち止まって、市民が納得するよう説明をしてはどうか」という龍議員の言葉に、深く賛同する。
第29回に続く 2023.12.12 更新
第29回
12月議会に
注目しよう(2)
②西田学
「大川の駅」
(仮称)について
<質問>
「大川の駅」の場所を大野島に決定したH27年10月の「経営会議」における出席者全員の氏名と当時の役職を教えて下さい。
【回答】
鳩山市長、酒見副市長、紀井教育長、中島人事秘書課長、石橋総務課長、串本企画課長、6名です。
(補足)
市の莫大な財政支出を伴う大事業「大川の駅」。その場所が大野島に1日で決定したというこの経営会議。
その決定経緯に疑問を抱いている市民は多く、この経営会議の参加者は誰であるか、関心が高かった。
しかし、これまで不明のままであり、この日の西田議員の質問によってそれが明らかになった。
今後、可能ならこれらの人に、その経緯を詳しく説明して貰うこともできる。市民の喉に刺さった疑問の一つを解いてくれた西田議員。大変、価値ある質問であり、心からお礼申し上げる。
なお、氏名は音を当座の漢字で置き換えただけのもので、必要であれば後日、表記を訂正する。
<その他の質問>
1.総事業費の見積もりをコンサルタントに依頼していませんか?ーー依頼しています。
2.それは、公表できませんか?
3.R6年度「大川の駅」関連当初予算はいくら位、考えてありますか?
4.「大川の駅」維持管理費はいくら位かかりますか?
5.沿岸道路は渋滞で大変なことになりませんか?
6.市が予算調達を行うDBO 方式 となったということですが予算計画はどうなっていますか?
7.市に売り上げの何%入りますか?
8.広域連携はどこまで進んでいますか?
相当な時間をかけて「大川の駅」事業に対して研究をされており、多岐にわたって真摯な質問がされた。
【回答】
数字の回答については、おおむね「近日中に公表予定の『要求水準書案』に基づき、精査中です。」で、実質無回答であった。
その他の回答についてはインターネット議会で確認されてほしい。ここでは、この後、西田議員の一般質問まとめの言葉から、要点をお伝えする。
② 西田議員 <まとめの言葉>
(1)ビックリ!
平成28年度
『公共施設等
総合管理計画』
ーー令和元年の6月議会、私の一般質問に対して、当時の総務課長の答弁はこうでした。「本市では、平成28年度に『公共施設等総合管理計画』というのを策定しまして、
その中で今後、40年間で今ある施設を34%削減していくという目標を設定しておりまして、これは、そうしないと財政的に持たない。今後は出来るだけ身軽になって行くということです。」
大野島に場所を決定したのが、平成27年10月の経営会議でした。そして、この『公共施設等総合管理計画』を策定したのが平成28年度です。明らかに矛盾があります。
『大川の駅整備計画』は、『公共施設等総合管理計画』に基づいて即刻中止するべきです。
[考察]
『公共施設等総合管理計画』のとても重い意味
この言葉は、とても重い意味を持っている。大川市は、「大川の駅」の場所が決まった頃に、『公共施設等総合管理計画』を策定して、
今後40年間に施設の3分の1を削減しないと大川は持たない、と分析しているのである。
大川市の状況はその時点より良くなっているとも、展望が開けている訳でもなさそうな、市長の言う「ジリ貧」の情況である。
平成28年度の『公共施設等総合管理計画』の分析は今も生きている。
施設を削減しなければならないとするこの分析に反して進められる今日の「大川の駅」事業は、整合性がとれない、危険な事業であると言わねばならない。
(2)
『住民投票をすれば、高まる理解と責任』
ーー大川市始まって以来の大事業というならば、住民投票などで大川市民に問うべきでした。
大川市には住民投票条例がありませんので、まず、住民投票条例を作る必要があります。そのための手段は、有権者数50分の1以上の署名から始まります。
住民投票を行うことは、賛否どちらの結果が出ても、大川市民にとって、理解と責任が高まるので、大変意義深いことであります。
[考察]
今からでも遅くない
住民投票
賛否、どちらの結果になろうと、住民投票が行われれば、市民は納得する。議員の反対は無意味になる。
市民の心と共に、事業は落ち着いた形で進行できる。事業の責任は最終的に市民が負う。今からでも遅くない。住民投票をしてはどうだろうか。
(3)
『戻らぬ投入財源』
ーーたとえ来場者が100万人来て、計画通り達成できたとしても、投入した財源は戻ってくることはありません。
補助金があるじゃあないかと言われるかも知れませんが、ほとんど物価上昇分で消えてしまいます。
[考察]
収支赤字の覚悟が必要
執行部は、「大川の駅」自体の収支は赤字かも知れないが、人口減や木工産業の不振に対し、大川の活性化という収支を越えた大きな効果を目指しているとする。
しかし、収支を初め、説明が不十分なのは否めない。
執行部は、「大川の駅」自体の収支が赤字ということは、否定していないので、事業の成否に関わらず、このままいけば、大川市民は収支赤字の覚悟が必要であろう。
その分は毎年、市で市民が負担していくことになる。
「大川の駅」事業によって、大川が活性化し、産業の振興につながり、人口増加になり、赤字を越える市の税収増収ならば、誰にとっても喜ばしいことに違いないのだが、不安要素は多く、市民の覚悟が必要だ。
(4)物価上昇が理由なら、みんなが「大川の駅」中止を納得。
ーー今、大川市に追い風が吹いています。物価高と言う追い風です。
「大川の駅計画」は10年ほど前からの構想だと思いますが、物価上昇を理由に止めれば、誰も傷付かないでしょう。
[考察]
危険なことは避けるという生き方がある。
ここまでよく考え抜かれていると思われた。
(5)
箱物行政でなく、
福祉や教育に
民間事業用地を含めて、総額いくらかかるのか、そして、開業後に毎年市にいくら入って来て、いくら出て行くのか、それを示さないで開業して動き出しても、成功なのか失敗なのかさっぱり分かりません。
総額いくらかかるか分かりませんが、箱物行政でなく、その分を福祉や教育などに充てることが出来たら、どれだけのことができるでしょうか。大川市は、今一度立ち止まって、将来について冷静に考える時が来ています。
[考察]
9年連続で人口を増やし、特に子育て層が増加している街がある。
中核市人口増加率第1位、
全国戻りたい街ランキング2021年第1位、
SUUMO住みたい街ランキング・住みたい自治体ランキング
<関西版>第6位の、明石市。
主要税収入が8年で32億円増加。
明石市では、子育て支援について、所得制限なしで「医療費・給食費・保育料・公共施設・おむつ」の5つの無料化を実施。独自の児童相談所を作り児童虐待防止強化。
子供関連予算を従来の2倍に増額、子ども担当の職員数を3倍以上増加。
さらに、障害者や無戸籍者の支援、犯罪者の更生支援、犯罪被害者が受け取る賠償金の立て替えなど、社会的弱者に寄り添う取り組みの強化などに取り組んだ。
当時の市長・泉房穂は、
「子ども関連予算は、公共事業費を従来の半分にして捻出した
しかし、公共事業費を減らしたと言っても、欧州と同水準にして、無駄遣いを止めただけ、首長がその気になれば簡単なことです。」と言う。
「子どもに優しい街づくりをすれば、地域経済も回り、税収が増え、それを財源として、市民サービスも向上し、子どもから高齢者まで誰にとっても住みやすい街になります。」
これは、西田議員の言う、「箱物行政でなく、その分を福祉や教育などに充てることが出来たら、どれだけのことができるでしょうか。」のいい例であろう。
公共事業費を従来の半分にして子ども予算を捻出し、人口と税収を増加した明石市。
それに対し、成否不安なまま莫大な公共事業費を投入し、逆の方向での勝負を企図する大川市。
市民は固唾を飲んで見守っている。
今回の西田議員の一般質問でも多くのことが明らかになった。特筆すべきは経営会議の参加者氏名と平成28年度の『公共施設等総合管理計画』。これらの議員の方々がいて、初めて一般市民は「大川の駅」事業のさまざまな相貌を知ることが出来る。質問のない賛成派の方々だけでは何もわからないままだ。市民の不安と疑問を代弁し、「大川の駅」問題に全力で取り組む西田議員は、大川市になくてはならない存在である。
さて、西田議員の一般質問が終わった直後、遠藤議長から次の一言があった。「西田議員に一言、申し上げます。」
遠藤議長は、今年度に入って、6月議会、9月議会とすでに2回、西田議員に対して、不要と思われる発言を行っている。この12月議会で3回目の発言。
これについては、第30回<またもや議長の意味不明な発言>で取り上げる。
第30回に続く 2023.12.17更新
第30回
12月議会
またもや議長の意味不明発言
12月7日、12月議会。
(以下 敬称略)
一般質問、西田学議員が「以上で一般質問を終わります。」と言った直後、遠藤議長が「西田議員に一言申し上げます。」と口を開き、続けて次のように言った。
遠藤議長
「用地取得に関しては、執行部の提案があり、市民の方、直接目にしていらっしゃいませんけれども、『議員協議会』という中で議論を致しました。
その中では、西田議員、一言も発言なさらずに、議決した結果、賛成多数で、可決された訳です。
議会人としては、その民主主義に従って行動して頂くのが適切な態度ではないかと思いますので一言申し添えておきます。」
※この後の西田議員と遠藤議長のやり取りを、そのまま最後まで紹介します。
市民のみなさんは、この遠藤議長の発言と、この後の一連のやり取りをどう思われるでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
西田議員
「私は議会の方が、優先順位は高いと思っております。ですから、反対討論をする用意をしておりました。議員だけのそういう中での質問、反対は、するつもりありませんでした。」
遠藤議長
「いや、僕がいっているのは、反対賛成じゃなくて、意見をちゃんと発言して下さいとお願いしています。」
西田議員
「先程言いましたように、議会が大事と思っています。ですから、2回討論する必要はないと。
ここで<㊟議会で>討論する準備をしていたんです。それを、その前に全員協議会で言わなければならないと言うんですか?
それも当日言われたんですよ。『今日、全員協議会があります』と。」
遠藤議長
「じゃあ、西田議員は議会の意思は尊重しないと言うことですか?」
西田議員
「私の考え言っているではありませんか?議会が大事ですよ。ここが議論する場ですよ。黙っているのがおかしいんですよ。そうでしょ。
ここが大事なんですよ。じゃあ、質問した時に議員協議会で結論出ているじゃあないですかと言うんですか?」
遠藤議長
結論が出ているのではなくて、本会議の中で、賛成多数で土地の取得に関して決定した訳じゃないですか?
西田議員
「いや、決定していませんよ。だって、9対4ですか、ここの議場で決まった訳じゃないですか。」
遠藤議長
「それが、民主主義でしょ、と言っているんです。」
西田議員
「全員協議会のことを言っているんじゃないんですか?今、そういったじゃないですか?」
遠藤議長
「いえいえ、議会で賛否を問いましたよ。」と言っているんです。
西田議員
「先程、言いましたように、毎年、大川市の予算が決まって動くんです。
ですから、その度に私たちは大川市の駅の予算に賛成か反対を求められるんですよ。
ですから、その都度、発言してもいいじゃないですか?」
遠藤議長
「発言はいいですよ。僕が言っているのは、議会で決定したことに、従うのが民主主義ではないですか?と言っているのです。」
西田議員
「そしたら、今から出て来る『大川の駅』関連予算、全部、賛成しろといっているのですか?
遠藤議長
「いや、そんなことは言っていません。決まったことに対してと言っているのです。
用地取得に関しては、決定したでしょ、と言っています、今回、議会で。間違っています?」
西田議員
「民主主義は、議論することが民主主義でしょ、違うんですか?」
遠藤議長
「議論をすることも民主主義ですが、多数決で決まったことに従うことも民主主義です。」
西田議員
「従うって何ですか?従うって?」
遠藤議長
沈黙。
西田議員
「これで私の一般質問終わります。」
遠藤議長
㉑「はい。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上がそのやり取りの一部始終ですが、みなさんはどう思われましたか?議長が何を言いたいのか、分かりましたか?
実際、傍聴している者にも、ほとんど意味の通らない、このささくれたやり取りで、意味ある何が明らかになり、価値ある何が進展したのでしょうか?
うやむやの内に終り、疲れだけが残る議長采配でした。どうしてこのような展開になったのでしょうか。今後のために、この議長采配の原因と問題点を明らかにしてみましょう。
<第1の問題点>
まず、最初に口火を切った議長発言。既にここから、混乱する要素を含んでいます。
【発言①の議長発言について】
この発言①は、次の二つの要素からなっています。
1.
「用地取得に関しては、・・・『議員協議会』という中で議論を致しました。その中では、西田議員、一言も発言なさらずに、議決した結果、賛成多数で、可決された」と言う部分。
ここで強調されるのは議員協議会で「一言も発言なさらずに」という部分です。
口にした議長の心の中に確かにあったのでしょう。特にこの部分が聞き手の耳にしっかり残る発言部分です。
2.
「議会人としては、その民主主義に従って行動して頂くのが適切な態度ではないか、」という部分。
この部分は、逆に、聞き手には、どこが民主主義に反する不適切な態度なのか判然としない発言です。
ただ、流れからすれば、「議員協議会で一言も発言しなかった」という部分を指して民主主義に反する不適切な態度と言っているように聞こえます。
ともかく具体性がなく、抽象的な言い回しであるため、聞き手にはその内容がほとんど伝わりません。
つまり、冒頭の議長の言葉は、ハッキリした部分とぼんやりした部分からなっていて、発言意図としては、自然、前半のハッキリした部分だけが強調されて聞き手に伝わることになります。
それゆえ、議長発言は、次のように聞こえました。
聞き手に伝達された内容:
(全員協議会で一言も意見を述べず、議会で議決したことに反対意見を述べるとは、何事か。
議会で議決したことに反対意見を述べるなら、その前の全員協議会で、きちんと反対意見を述べよ。それが民主的な態度であろう。)
しかし、後で分かりますが、これは議長の真意、もっとも言いたいことではありませんでした。
受け取られる内容と、言っている人の本心が違うのですから、その後のやり取りが混乱する筈です。
そして、第1のぐちゃぐちゃが始まります。
この議長の冒頭発言に対し、当然、西田議員は、全員協議会で発言しなかった理由を述べました。
発言②「議会が全員協議会より優先順位が高いと思っているので、議会での発言を準備しており、全員協議会という議員だけの中で質問や意見を述べるつもりはありませんでした。」と答えています。
それを受けて、議長は発言③で、「いや、僕がいっているのは、反対賛成じゃなくて、意見をちゃんと発言して下さいとお願いしています。」と言います。ここまでは議長も、確かに、全員協議会で西田議員が発言しなかったことを問題にしているようです。
しかし、議長はそんなことより本当は、別のことを問題に思っていました。ですから、本当は、議長の、この発言③も問題なのです。
議長は、「(全員協議会でも)意見をちゃんと発言して下さいとお願いしています」等と言う前に、
「私はそういうことを問題にしているのではありません。」ときちんと軌道修正をするべきでした。そして、「私は、○○〇のことを、問題だと言っているのです」と言うべきでした。
しかし、議長は、自分はちゃんと言っており、みんなはそれが分かっているはずだと思っていました。
一方、西田議員を初め、傍聴者には、議長が何を問題にしようとしているか、分かっていませんでした。
ですから、言いたいことは、議長しか知らないまま、ほとんど最後まで進んで行くことになります。そして、それが、議会の混乱の一つの大きな原因になるのです。
西田議員は、再度、発言④で「議会が大事と思っているから2回討論する必要はないと思っている。議会の前に全員協議会で言わなければならないとい言うんですか?」(㊟全員協議会と議員協議会は同じもの)と言って、
議論は、議長の意図とは違った方向に深まって行こうとします。全員協議会問題が続こうとして行くのです。
議長は西田議員の疑問に答えません。そして、論点を思いもかけない方へ転じます。
<第2の問題点>
発言⑤「じゃあ、西田議員は議会の意思は尊重しないということですか?」
えっ!と、ここで、みんな驚いたことでしょう。
尊重しないのか?」と言う言葉。これは、どういう意味なのでしょうか?今は全員協議会のことを話しているのに、どうして、突然、「議会の意思尊重」などということになるのでしょうか?
問題の進行方向はガックンと折れ、みな心の中で大混乱です。
しかし、それは、実は、議長にしてみれば当然の言葉でした。
議長が心の中で問題にしていたのは、ずっとこのことだったからです。
このこと、ーーーそれは、紛れもなく、議長の冒頭発言①の後半部分です。
具体性に欠け、意味のハッキリしなかったあの言葉、「用地取得に関しては、・・・議決した結果、賛成多数で、可決された訳です。議会人としては、その民主主義に従って行動して頂くのが適切な態度ではないかと思いますので一言申し添えておきます。」
議長は、あの冒頭発言で、「あなたは議会の意思を尊重していない。」と指摘したつもりだったのです。
ですから、この時の、「議会の意思は尊重しないのか?」と言う言葉は、議長の中ではちゃんと連続していた訳です。
議長は議長は西田議員の質問、「議会の前に全員協議会で言わなければならないとい言うんですか?」など、全員評議会についての質問など気に止めず、自分のより重要視していた議会における問題を、ここで言葉にしたのです。
しかし、これでは、誰も分かる訳がありません。
これまでの6月議会、9月議会でもそうでした。人の話はあまり聞かないで、自分の頭の中だけで連続したものを口に出すこと多く、聴く人は唐突な非連続な言葉を聞いて混乱します。
これが、問題点2、次に混乱した原因の全てです。
これによって、この後のやりとりは、さらに、ぐちゃぐちゃになりました。議長だけは分かっていて、他の者は分からない訳ですから、
西田議員発言⑩「全員協議会のことを言っているんじゃないんですか?今、そういったじゃないですか?」
議長発言⑪「いえいえ、議会で賛否を問いましたよ、と言っているんです。」
???
議長は、その後、議会での議決の話をしますが、やはり説明抜きの一方的、断片的な言葉で、何を言いたいのかよく伝わらず、
当然、西田議員と嚙み合いません。この状態で、最後までいく訳です。話にならないぐちゃぐちゃな展開です。
<第3の問題点>
次に、さらに混乱に拍車をかける第3の問題点に移りましょう。
遠藤議長が、議会で西田発言を不適切と指摘しても、西田議員の発言のどの部分が不適切なのか、具体的に言わないので、聞いている者には、よく分かりません。
西田議員も傍聴者も分からないまま、議長は「決まったことに従え、それが民主主義」と言いますが、どこを指して言われているか分からないので、やり取りは、噛み合いません。
西田議員が「従うって何ですか?」と言った後、議長の沈黙で終わりました。
「従え」と言われても、何をどう従えと言っているのか、傍聴者を含めて、誰も分からないのですから、話が進展し何かの結実を産む筈がありません。これでは、話がぐちゃぐちゃに輪をかける筈です。
「ここが不適切なのです」と天下白日の下にどうして具体的に言えなかったのでしょう。
議長はきちんと指摘したつもりだったのかも知れません。しかし、これでは、何を指摘されているか分からず、納得できる筈もありません。
理由もなく、「大川の駅」に質問をするな、反対意見を言うなとだけ言っているようなものです。
指摘は、具体的に行い、納得できるように説明すべきです。これが、今回の議長采配の3つ目の問題点です。
こうして、遠藤議長の西田議員に対する発言は、3重苦。
ほとんど、意味のないものになりました。全体として、いたずらに時間を取り、議会を混乱させ、聞く者を疲れさせ、ただ、「大川の駅」への反対意見に対する圧力の印象だけを残した、不毛なものでした。
それも、不偏不党であるべき議長発言において。
混乱の原因を探ってみました。
今後の進行に生かしてほしいと思います。
❶議長は発言の表現が適正であり、誤解が無いよう気を付け、論点がずれそうな時は、進行のきちんとした軌道修正を図って下さい。
➋議長は、自分の考えを一方的・短絡的に言うのではなく、虚心坦懐、人の意見に耳を傾け、質問には一つ一つ、丁寧に答えるなど、分かりやす進行を心掛けて下さい。
➌議長は、指摘する場合は、必ず具体的に指摘し、その理由を分かりやすく説明して下さい。
➍議長は議長の立場、その影響の大きさを思い、厳正中立、かりそめにも忖度など疑われぬよう、見識ある発言をお願いします。
気になる議長采配、これからも、皆でインターネットで見ています。
このサイトで、私たちは、大川の駅には中立の立場から大川の発展のために、客観的なデータを提供したいと思っています。賛成意見にも見るべきもの、見るべきところがあれば、これまでも取り上げましたし、これからも取り上げて行きます。
今回、西田議員には、たいへんお疲れさまでした。インターネット議会を見ている市民のみなさん、このサイトを読んでいる市民のみなさんは、西田議員の努力を理解されることでしょう。
このサイトを見た方から、次のようなメールが来たことをここに載せておきます。
「2期目の西田さん、真面目だね。今後も注目して行きたい。」
第31回に続く 2023.12.20
第31回
12月議会に注目しよう(3)
③ 内藤栄治
一般質問「大川の駅」について
(2023.12.8)
要点を紹介する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<最初に>
市民の皆様から「大川の駅」について、本当にできるとね?と訊かれます。
本当に大丈夫とね?
だいたい全部でいくらかかると?
どれくらいの広さね?
と訊かれます。
しかし、答えようがありません。
それに答えるために、今日、一般質問で市民の皆様方の質問されたことをお訊きしたいと思います。
これは、市民の皆様方から負託を受けた市会議員としての責務と思っております。
【質問1】
ハード整備費73億8900万円は、今後増えることも考えられますか?
[回答]
以下、森副市長
要求水準書を精査している途中で、増えるとも減るとも言える段階にありません。
【質問2】
維持管理費について、9月議会で、毎年、8800万円ぐらい必要と言われていて、まだハッキリしていませんが、12月にはきちんと言います、と言われました.
どれくらいかかるのですか?
[回答]
要求水準書の作り込みを行っているところです。
(確認)まだ、分かっていないということですね。
【質問3】
「大川の駅」の災害対策とは、どういうものですか?
また、川の駅とはどういうものですか?
(内容の詳細はインターネット議会をご覧ください。)
※ただ、<川の駅>の遊覧船については、点検や保険などに相当、維持費にかかること、干満の差、天候の影響などで、乗船時間が限られること、客数が伸びなければ営業が厳しくなることなど、考慮に入れていますか?という質問がされ、事業者と相談しながらやって行くとの答えであった。
【質問4】
「大川の駅」は、お金を産む物販が主体ではないといわれますが、どういうことですか?
[回答]
食のサービスも目的の一つであるが、「大川の駅」の設置目的は物販を通じた地域振興にとどまらず、大川の基幹産業である木工・インテリア産業の振興が大きな目的でして、一般的な道の駅とは異なるということです。
【質問5】
その物販で無い、ショーウインドウ的なところに、」100億~150億円投入して、投資したお金は返って来ない。いくらかかるか分かりません、発表できません、なのですから、大川市民の方が心配してあるのを、どう思いますか?
大川の中心部ででも作れば、もっと少ない額で立派なものができるのではありませんか?
[回答]
今の場所は、景観がピカ一、大野島インターチェンジ、県のアクセス道路などの条件も揃っています。
【質問6】
初期投資の設備投資も回収できない.毎年毎年、維持管理費も大川市が出さなければならない、こういう計画がありますか?
「大川の駅」を作ったら、後で誰が困りますか?市民でしょう。
大川市の市民の方が、生活するのにですね。公共事業の道の問題とか、クリークの問題とか、福祉の問題とかが、少しずつ削られて行くんじゃないですか?人口がだんだん減っていくんです。理解に苦しんでいます。
[回答]
維持管理費は、公園などの他の公共施設と同じように、お支払いして行くということです。
【さらに質問①】
それは、これまであった施設でしょう。新しく作る訳です。それを、公共事業だからと言って、初期費用100億出しました、これは回収できません。維持管理費、これもお金を注ぎ込みます。こんな事業に、市民の方は納得できないでしょう。
経営者の方が、言うんですよ。こういうバカな事業がどこにあるか、と。誰がバチかぶるかと言うと、大川市民が税金を払って、まかなって行かなければならないんです。市民の方たちはそこらへんおかしいと思ってあることを感じます。どう思いますか?
[回答]
(森副市長)
してほしいサービスをお願いする側としては、投資をしなければならないという考えで、官民連携の方式をとっています。
(倉重市長)
民間の事業者や一般のユーザーの方々にたくさん来て頂くための呼び込むための投資をする必要があるという判断のもと、事業を進めているということであります。
物販で来て頂いた方に、われわれの持っているインテリアの魅力を知って頂くということでありますので、そこはご理解願いたいと思います。
中長期的には、大川市の財政のためにもなるということは、ご理解いただければと思います。
【さらに質問②】
ハッキリ言って、こんな冒険よくやるなと思います。
これが、100万人、来なくなった時には、全体の計画が沈んでいく。だから、心配して言っているんです。
皆さんに分かるようにして貰わなくては困ると。100億から150億は返って来ませんよとハッキリ言わないと。維持管理費、毎年、お金は要りますよと。
そういうことを言って、市民の方々が、「頑張って下さい。」「応援しますよ。」という雰囲気になれば、土台ぐらいは出来ると思うんですよ。その土台が出来ていないんですよ。
「これは、大丈夫やろか?」
「お金をそげん使って大丈夫やろか?」
と、喧々諤々(ケンケンガクガク)聞こえて来るんですよ。一般の方々、経営者の方々から、それを心配していろんな質問をしていますが、最後に市長どう思いますか?
[回答]
(倉重市長)
ご心配は有難うございます。ただ、ちゃんとやりますので、ご安心頂ければと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<まとめ>
1.
内藤議員の質問は、「莫大な金額の設備投資も回収できない、多額の維持管理費も毎年、大川市が出さなければならない「大川の駅」について、作ったら、後で困まるのは、市民。
後で、市民が公共事業の道の問題とか、福祉の問題とか、少しずつ削られて行くのではないか、という大半の市民の疑問を代弁した。
真剣で熱意あふれる一般質問。市会議員として立派な役割を果たしたと思える一般質問であった。
2.
9月議会で、12月にはきちんと出せると言われていた維持管理費は、また、出せなかった。
それに限らず、さらに増えるかも知れないと不安にさせている設備投資など、分からないことが多い。
3.
市民を心配させるのはよくない。市民の疑問と不安は増すばかりだ。市民を納得させるような説明の仕方、方策が求められる。
4.
「大川の駅」賛成派議員からは、一つの質問もないが、大川市民がこんなに不安を持ち、こんなに分からない計画に対して、小さなたった一つの疑問もないのだろうか?
大川市の将来を左右する大事業である。
賛成にも、反対にも、疑問があり、質問があってよいであろう。真面目に取り組めば、疑問の一つも湧くはずだ。
賛成派からは、疑問・質問が皆無というのは、どういうことなのであろう。議員としての責務をどう考えているのであろうか。
5.
「大川の駅」について、市民の疑問を取り上げ、真面目に取り組んでいるのは、どう見ても、少数議員である。
内藤議員は、その尊敬すべき少数派の一人と思われた。
第32回に続く 2023.12.24更新
第32回
12月議会に注目しよう(4)
④永島幸夫
2023.12.8
一般質問
主なものを挙げる。
【質問1】
「大川の駅」は、大川市のためになるか?
「大川の駅」の問題ですが、議員活動をやっていますと、
お会いする市民の方々から、「大川の駅、止めたがよかばん。止めとかんの。」という言葉を多数お聞きします。
時代が変わり、物価上昇、市民の方々の生活が先です。
1例として、鳴り物入りで建設された大牟田のテーマパーク、『ネイブルランド』は、平成7年7月に開園したが、わずか3年後の、平成10年12月に60億円の負債を抱えて、閉鎖されました。
そこで、改めて市長に「大川の駅」は、大川市のために、また、大川市民のためになるか、見解を求めます。
[市長答弁]
今後も固い決意で
「大川の駅」事業につきましては、環有明海地域におきまして、今後さらなる延伸が期待され、広域交流促進の中核にも位置づけられる有明海沿岸道路や、
滑走路延長が計画されている九州佐賀国際空港、重要港湾であり急速に成長するアジア諸国との海運ネットワークの一角となることが期待される三池港、
などの重要インフラが整備拡張され、地理上の扇のかなめに位置します本市への国内外からのアクセスが大きく向上するこの状況を最大の好機と捕らえ、
また、この地域を愛する人々が、人口減少、少子高齢化社会においても、
この地域で暮らし続けて行くために必要不可欠である基幹産業を振興する拠点として整備運営しようとするものであります。
大川の駅では、環有明地域の多彩な地域資源の魅力を広く情報発信することで、国内外の多くの人に、この地域の範になって頂き、
この地域で新たな投資や消費を呼び込むきっかけとなるよう、
また、地域住民の方はもとより、国内外から来られるお客様に何度も足を運んで貰えるような
ワクワクする楽しい施設にしたいと考えております。
そのためにも、私自身、環有明地域の連携強化に取り組むことで、
本市に新たな人の流れを呼び込む明るい未来の大川の創出に向けて今後も固い決意で大川の駅事業を進めて参ります。(省略なし)
【質問2】
地盤対策工事の進展は?
ボーリング調査終了とのことであるが、その後、どこまで進んでいるかお答え下さい。
[回答]
地盤対策工事の工法を検討しているところ
地盤対策工事の設計業務委託につきましては、ボーリング調査及び土質試験などの地質調査の解析が終わっております。
現在、道の駅整備予定地の地質の条件や適用可能な施工条件に対して、工法を検討しているところです。
その検討後に、適用可能な工法の施工性や経済性を比較検討しまして、最適な工法を決定することとなります。
【質問3】
その決定は、いつ頃になりますか?
[回答]
履行期間が令和6年2月29日となっているので、それまでには工法とも、決定していると思います。
<まとめ>
①身近な大牟田のテーマパーク「ネイブルランド」が
3年で60億の負債を抱えて倒産したのはショックであった。
三井三池炭鉱の閉山を見据え、石炭産業に代わる新しい産業開発の一環として、建設されたが、開園初年度、44万人の集客があったものの、翌年度から入園者減少が止まらず、回復できなかった。
大牟田市は、遊園地、水族館、植物園などを解体し、跡地を帝京大学に無償譲渡した。
このようになってほしくないと市民は思っている。
②よく知られた夕張市が、
2007年に財政再建団体になったことも、参考にしていて、損はない。
夕張市の場合も、炭鉱が閉山し、人口減少した中、国の補助金を使って観光産業に光を託したが、使われない施設を作り過ぎ、借金が膨らみ、それを粉飾決算でごまかしていたと言われる。
55人いた管理職の内、部長は全員退職、課長級も3人を残して退職、残った職員の給与は、平均4割削減され、「これでは家族を養えない」と260人いた職員が瞬く間に減少。市職員の一人あたりの仕事量は増大し、夜遅くまで残業する事態になった。
経費節減のために、午後5時になると冬でも暖房が切られ、室温がマイナス5度まで低下し、コップの水が凍ることもあったと言う。
就労環境の悪化、先の見えない市政に絶望した若手職員たちが次々と辞めて行き、夕張市民は、「全国最低の行政サービス」と「全国最高の市民負担」を強いられた。
新たに入湯税やゴミ処理手数料が導入される一方、各種税金や公共料金が引き上げられた。
破綻前と破綻後を比べると、市民税が3000円→3500円に
軽自動車税は1.5倍に、
下水道料は、東京23区の約2倍、
10立方メートル当たり
1470円→2440円に。
図書館や、美術館、集会所は軒並み廃止、公衆トイレなどの公共施設も次々と閉鎖、医療機関は縮小、老朽化した市営住宅を直すお金も、危険な廃屋を取り壊すお金もない、という状態が、財政破綻から10年間続いたと言う。
可哀そうな市民、そして市職員。こういうことも現実に起きたのである。忘れてはならない。
③永島幸夫議員は、
いつも着実に「大川の駅」事業の進度を質問し、「大川の駅」事業がどのように、どこまで進んでいるのかを市民に明示する。
私たちはそれによって、「大川の駅」事業のさまざまな情況を知ることが出来る。地盤対策では、地質調査の解析が終わり、工法の検討に入っていた。来年2月までに工法が決定されるという。
④市長の回答は素晴らしい。
市長が、大川の未来を真剣に考え、情熱を持って取り組んであることが理解できる。今どき、こんな熱くなってくれる市長は珍しいのだ。自己保身のみの事なかれ主義とは違う。よく頑張ってある。ただ、大牟田市長も、夕張市長も、あんなことになるとは思っていなかった筈だ。同じように、大丈夫と言いもし、明るい未来を信じてもいたであろう。
⑤だから、今、市民の聞きたいのは、
それを実現するための数字である。年間100万人の来場者というが、
その数字に、誰もが納得いく根拠があるのか?
全体の建設費用はじめ、開業までの費用を、数字として、いったい、いくら位に考えているのか?
開業後の事業の収支をおよそ、数字として、どのように考えているのか?
毎年の返済は何と何を持って行われ、数字として、どのような形で返済していくのか?
これらのことが、分からないまま出発するのは、誰が考えても荒唐無稽である。
大川市には、成算がある筈だ。
それを大まかな数字でいいので、ハッキリ説明してほしい。
⑥これまでの回答では、「わかりません。」が多すぎた。
正確な数字でなくてよい。見込みの概算とその根拠をハッキリさせる必要がある。
ハッキリしないから、不安をかき立てる。
最初からハッキリ出ている数字が一つある。毎年の予想来場者が、100万人という数字だ。
しかし、これがまた、市民の心配の種だ。ネイブルランドが初年度44万人の来園者で翌年から減少が止まらなかったというが、「大川の駅」への100万人の来場者が、10年、15年と続く算定の根拠がハッキリ示されないからである。
ここは、「大川の駅」の成否に関わるところで、最も重要なところであるが、ここも大きな不安の材料になっている。
⑦市民を安心させる必要がある。
情報が少なければ少ないほど、人は心配になる。市民の税金が使われ、最後は市民が結果を引き受けるのである。
もう少し、「大川の駅」事業全体の概算の数字とその根拠をハッキリ出して、市民を安心させた方がよい。
そうしないと、「止めたがよかばん。止めとかんの。」という声が増すばかりで、大川のためにも、「大川の駅」のためにも、よくない。
逆に、市民は思い始める。これは、やはり危ない話だから、言えないのではないか、と。
第33回に続く 2023.12.28更新
第33回
12月議会に注目しよう(5)
2023.12.8
永島 守
一般質問
<6年度に向かう大川市政の展望について>
自己の考えを述べながら、市長、副市長、各課長の取り組みと今後の展望について答弁を求めた。主なものを挙げる。
【市長答弁】
人口は、近年では年間500人程度減少、数年後に3万人を割りかねない状況。国・県単位の十分な支援がなければ、解決はむずかしく、大川市を訪れる交流人口の増加による人の賑わい作りなど、総合的に施策を実施し、大川市の魅力を高め、知って頂くことが、必要。
基幹産業である家具関連の生産額は、平成3年に1200億越えるピークを迎えたが、その後のライフスタイルや住環境による需要の低下、さらには平成不況を契機として、近年ではピーク時の3割まで減少している状況にあります。
課題解決に向けて各種さまざまな事業を展開しておりますが、その最大の柱が本市の将来の産業、観光振興の拠点であり、環有明海経済圏への構築の柱となる「大川の駅」であります。
【橋本副市長】
この町に大事なのは、いかにしてこの町に若い人を呼び込むか、そのためにはどんな魅力を高めて行くか、という思いで事業・施策を考えて行かなければならないと思っています。
人口減少率がさらに上がっており、40年後は半分ですよ、と言ったのも本当はもっと早くなるかも知れません。
そういった中で、何かしら大川市が動かなくてはならないということに反対意見もありましたが、それをやることを否定するのか。
聞いていますと、場所がと言われていましたが、どこが否定なのか、私は聞いていてよく分かりませんでした。
おそらく、市民の方々も100億とか200億とか聞けば、確かに恐れられます。どうやって大川市がそんな事業ができるのか、と。
もちろん我々は、財源確保という意味では、いろんな方法・手法で、国・県に頭を下げ、いろんなやり方でやろうと思っています。
我々がペイ出来ますよとか、そういったことを確実に言えれば、それは今の段階でも市民の方には納得して頂けるのかと思いますけれども、なかなかそこがまだ財源と言う部分で、不確定なこともあるし、
今から事業者を捜し決定して、進んで行きますので、そこを今後の大川市の命運をかけて、事業者の選定、取り組みに力を注ぎ、この事業をやり遂げていかなければならないのではないかと強く思っております。
岡「大川の駅」
整備 振興課主幹
「大川の駅」事業につきましては、優れた事業者の力を引き出す、優れた民間事業者を選択するということが重要であると考えております。
今回の「大川の駅」事業につきましては、従来の公共事業の整備の手法とは違いまして、民間の方の活力を導入する方法を使っております。
そのため、なかなか事業の姿、具体的な姿をお示しするのが難しい状況にございます。
その点につきまして、市民の皆様は大変ご不安に思っていらっしゃるかと思っております。
今後は、出来るだけ丁寧に分かりやすく、市民の皆様がご安心頂けるような内容で、適宜情報を発信していきたいと考えております。
【森特命副市長】
今後は、ぜひ実現してほしいという思いを詰め込んだ「要求水準書」の案を作って、意見交換した後で、来年の公募に向けて、今、正念場ですので、それをしっかりやって行くということです。
その「募集要項」の中には、「契約書」の案みたいなものもあり、そういうものは、細かい複雑なものを含むので、しっかりしたものを作って行きたいと思っています。
そのためには、精緻な財政運営の中長期の見通しをしっかりと作り込まないといけない。
総務課の財政運営を、各部署にもしっかり協力して貰い、しっかりした見通しを作り込んでいくことによって、市長の発言を支えて行くことが重要と思っています。
【永島守議員】
市長も副市長においても、なかなかすべてを語れない。議員全員と情報を共有するのがプラスなのか、ある部分では共有しないことがプラスなのか、今、大川市内において大きく口に出されているのは批判的なことが、事実、大変多いのも私も十分存じております。しかし、必ずしも何かに基づいた話でもない、また、行政・執行部としっかりした意見交換の中において得られた情報がこの世間に伝わるのは、これは一番いい事でありますけれども、まだまだ表に出してはマイナスだというものも、多分あるでしょう。皆さん方以上に、内容などに置いては私も知りません。私は、個人的にこれを教えてくれと言うようなことは、行ったことはございません。こうやった方がいいんではないですかということは、言ったことはございますけれども。
皆さん方が、一番、不安に思っておられるというのは、大野島を批判される=(イクオール)永島守批判に繋がっているということは、私も十分存じておりますけれども、「大川の駅」建設計画などについても、私が業者を連れて来るだとか、いろんな仕事に関して、私が意見を申し上げるということは、一切ございません。職員の方々もそういうことを私が申し上げた時には、いつでも警察の方に言って下さい。私は、そういうことは一切ございませんので、しかとご安心を頂きますようによろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
<まとめ>
①市民の不安は分かっていた
副市長、岡主幹、永島守議員の発言によって、執行部、及び「大川の駅」賛成派議員にも、「大川の駅」が、市民に不安を抱かせていること、「大川の駅」について納得してもらっていないと理解されていることが分かった。
それでは、なぜ、納得できる説明を市民にしなかったのだろうか。それは今回、明らかになった。
②財源が不確かなので、ペイ出来ますと市民に言えない。
橋本副市長は、
「我々がペイ出来ますよとか、そういったことを確実に言えれば、それは今の段階でも市民の方には納得して頂けるのかと思いますけれども、なかなかそこがまだ財源と言う部分で、不確定なこともあるし、」と言っているように、市民の不安がどこにあるか、分かってあるようです。
そして、ここで「財源が不確かなので、今の段階では、確実に収支決算が成り立つとは言えない」のだと言うことがわかりました。
③事業者の形が分からないから財政的な収支計画が市民に言えない
岡主幹も別のかたちで、同様のことを言っています。
「なかなか事業の姿、具体的な姿をお示しするのが難しい状況にございます。その点につきまして、市民の皆様は大変ご不安に思っていらっしゃるかと思っております。」
このように岡主幹も、市民の不安を分かっているが、民間の方の活力を導入する方法を使っているため、事業の具体的な姿が示せない、財政的な収支計画が市民に言えないと言っています。
要するに、執行部にも、「大川の駅」の財源は今の段階で不確かなのだと分かりました。
執行部は、これを、要求水準書が出来た来年の公募の段階まで、わからないので言えないと言っています。そこに大川市の命運がかかっていると。
やっと、収支計画の数字を言わない理由を聞くことが出来ました。分からないままで事業を進めたのかという気持ちです。
④「どこが否定なのか分かりませんでした。」
橋本橋本副市長答弁における、反対意見は「どこが否定なのか、私は聞いていてよく分かりませんでした。」と言う言葉がありましたが、それは、事業における財政運営、財源確保、多額な収支計画などが不明なままでは納得できないので反対だというのが、その意見であることは、ハッキリしています。
⑤人口減対策は何もないか
市長答弁における人口減対策として、「国・県単位の十分な支援がなければ、解決はむずかしく」とあり、その対策の柱を「大川の駅」とする。
しかし、9年連続で人口を増やし、2020年国勢調査で人口30万を突破した、中核市人口増加率第1位の泉房穂・明石市の例もある。
⑥中長期の財政運営の見通しもしっかり出来ていなかった。
森副市長は、誰も言わない、しかし、当然のことを今回、言いました。
募集要項を含む「要求水準書」を作るには、「精緻な財政運営の中長期の見通しをしっかりと作り込まないといけない。」
財政運営の中長期の見通しも、まだしっかり出来ていなかったようです。
市民が知りたいのは、最終的に、今後の市の財政の中長期の見通しであって、市は今後、借金をどれくらい負い、どんな形でどのように支払っていくのか、ということを知りたいのです。
まだ、今後の財政の見通しも、しっかり出来ていなかったということも分かりました。それでは、橋本副市長の言葉にあるように、言って市民を安心させたくても、言えない筈です。
⑦共有しないことがプラスなのか
永島守議員も、
「市長も副市長においても、なかなかすべてを語れない。議員全員と情報を共有するのがプラスなのか、ある部分では共有しないことがプラスなのか、・・・まだまだ表に出してはマイナスだというものも、多分あるでしょう。」と言っています。
全然根拠のない話なら、普通こんなことをこういう表現で持ち出さない訳ですから、市には市民に言えない、市民に隠していることが他にもあるのでしょうか。
永島守議員の言うことが本当なら、市民は当局を信用できないということになります。
市民を混乱させる発言です。発言には、責任を持ってもらいたい。
⑧いつでも警察に言って下さい
永島守議員は、
「大川の駅建設計画などについても、私が業者を連れて来るだとか、いろんな仕事に関して、私が意見を申し上げるということは、一切ございません。職員の方々もそういうことを私が申し上げた時には、いつでも警察の方に言って下さい。私は、そういうことは一切ございませんので」
とも言っています。
永島守議員のこの発言も、奇妙な発言です。
こういうことないのが普通であって、言わずもがなのことを口にし、「警察の方に言って下さい。」などと言うのは、返って不穏な何かを感じさせます。
そして、警察のお世話になりかねない議会というイメージと合わせて、議会の品位を落としてしまうものです。
そんなことを敢えて言わねばならないような議会なのか、と。
ましてや、永島守議員については、刑事事件を初め議員のよくない話の数々を、職員も市民も知っています。
議会に暗い影を落としかねない発言には注意をお願いしたい。
⑨議会の品位向上に貢献した永島守議員
とはいえ、永島守議員は、6月議会と9月議会において行った「反対意見は許されない」「無意味な議論は、即止めよ。」などといった、言論封殺するような非民主的発言を、この12月議会でしなかった。議会の品位の向上に貢献したと言えます。
⑩長崎IR事業不認定 ハコモノ依存の
地域振興策見直す時期
執行部の答弁は、「大川の駅」事業によって、人口減少と基幹産業衰退という課題を解決しようとする趣旨のものであったが、財政管理が遅れていることが明らかになった。
時はちょうどこの12月28日、西日本新聞第1面に「長崎IR不認定」の大きな見出しが踊った。
長崎県が提出していたカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の区域整備計画を国土交通省が認定しないと発表したのである。
4383億円を見込む事業資金調達の確実性の裏付けが不十分で、カジノ事業の収益を活用して、IR事業を継続的に実施できる根拠が乏しいと判断した、とある。
長崎県と市、あわせて、すでに10億円以上投入していた。
見出しに「資金計画甘く、門前払い」とあり、IRに詳しい静岡大の鳥畑与一教授は、
「巨大なハコモノ施設に依存した成長戦略や地域振興策を根本的に見直す時期に来ている。
長崎県も今回の結果をIR頼みの政策を変えるきっかけにしないといけない。」と強調すると、ある。
「大川の駅」の資金計画はまだ不明確だそうだが、大丈夫なのか?
第34回に続く 2023.12.30更新